今回のリフォームは、施主様のこだわりが詰まった空間となりました。
全体的なデザインコンセプトは「統一感と機能性の両立」。
シンプルながらも洗練された美しさを求め、住まいとしての快適性を最大限に高める工夫が施されています。

まず、壁面は清潔感あふれる白を基調とし、タイルを効果的に取り入れることで、質感の変化による奥行きを生み出しました。
白い壁は光を反射し、空間を広く明るく見せる効果があり、マンション特有の限られたスペースをより開放的に感じさせます。
また、タイルの選定には特にこだわり、機能性だけでなくデザイン性にも優れたものを採用。水回りや玄関、キッチンの一部には異なる質感のタイルを使用することで、空間ごとの雰囲気をさりげなく演出しました。

特徴的なのは、玄関からキッチンを通り、テラスに至るまでの動線を「靴履き」で使用できる設計としたことです。
このアイデアにより、玄関から屋外テラスへと自然に繋がる流れが生まれ、まるで一続きの空間のような印象を与えます。土間のような役割を果たすこのスペースは、日々の生活の利便性を向上させるだけでなく、デザイン的にも新しい感覚を生み出しています。
特に、料理をしながらそのままテラスに出て食事を楽しむ、来客を招いた際の動線がスムーズになるなど、日常生活のシーンが豊かになる工夫がされています。

リビングダイニングは、フローリングと家具の統一感を重視し、温かみのある落ち着いた空間に仕上げました。
フローリングの色調は施主様と細かく打ち合わせを重ね、部屋全体のバランスを考慮した選定を行いました。
また、家具との調和を図るため、木目のトーンや仕上げを統一し、シンプルながらも高級感を感じられるインテリアを実現しました。
この統一感が生まれたことで、視覚的なまとまりが生まれ、心地よい空間を演出しています。

洗面室は、より広く見せるための工夫を施しました。
一般的に洗面室は限られたスペースの中で機能性を重視するため、狭くなりがちですが、今回はあえて洗濯機をキッチンに組み込むことで、洗面室の面積を広く確保することができました。
この設計により、洗面スペースが開放的になり、使い勝手も向上しています。また、洗面台周りには鏡や間接照明を効果的に配置し、視覚的な広がりを演出しました。
シンプルながらも高級感のある洗面空間が完成し、毎日の身支度がより快適なものになります。

施主様のこだわりは細部にまで反映されています。
例えば、キッチンの収納はすっきりと見せるために、扉付きのデザインを採用。必要なものをすぐに取り出せる利便性を確保しつつ、生活感を極力排除する工夫がなされています。
また、テラスとのつながりを意識し、キッチンの一部には屋外の雰囲気に調和する素材を取り入れることで、内と外の一体感を演出しました。

全体として、今回のリフォームはシンプルながらも機能的で、統一感のあるデザインが特徴となっています。毎日の暮らしをより快適に、そして美しく彩る空間として、施主様の想いを形にすることができました。